「未だ本能寺にあり」をBook Bangが書評で紹介、証言で組み立てる謎の構成
この記事の重要ポイント
- 今村翔吾の節目の作品を縄田一男が論評
- 記憶に優れた主人公が、護衛とともに証言を集める
- 脇役のエピソードにも目を向けた書評
- 証言には「手がかり」と「その人の事情」を持たせる
Book Bangは2026年10月28日、今村翔吾「未だ本能寺にあり」を取り上げた縄田一男の書評を公開しました。秀吉の命を受けた主人公が、本能寺の変の関係者を訪ねる歴史ミステリーです。書評が注目する証言の積み重ねと脇役の描写から、小説の構成に持ち帰れる工夫を考えます。
事実確認できたこと
今村翔吾の節目の作品を縄田一男が論評
Book Bangに掲載された文芸評論家・縄田一男の書評は、今村翔吾の『未だ本能寺にあり』を取り上げています。作家としての活動が10周年を迎える記念の一作で、信長の遺体の行方を題材にした歴史ミステリーとして紹介されています。書評には、2026年10月22日号に掲載された旨の記載もあります。
縄田は、歴史上の謎を小説として組み立てる力量に加え、中心人物以外にも丁寧に目を配る描写を評価しています。その人物描写が物語の納得感につながっていると論じ、年間の優れた作品の一つに挙げています。これは書評者による評価です。
記憶に優れた主人公が、護衛とともに証言を集める
主人公の駒井八右衛門重勝には、見たり聞いたりした内容を忘れない能力があります。秀吉から信長の捜索をひそかに命じられ、護衛を担う糟屋助右衛門武則と行動します。二人が追うのは、本能寺の変で何が起きたのかという問いです。
調査では、信長を刺した人物や身の回りを世話した女性たち、本能寺から逃れた黒人の武士などに話を聞きます。複数の関係者が語る内容を通じて、事件の異なる側面が見えてくる構成です。書評は、生き残った人々の体験の激しさにも触れています。
脇役のエピソードにも目を向けた書評
縄田が印象に残った人物として挙げるのは、少女の夏音と、小姓の狩野又九郎です。事件の朝に接点を持った二人について、又九郎が傷を負いながら夏音を助ける場面を取り上げています。書評では、こうした脇役の描写にも重きを置いて作品を評価しています。
分析編集部の見方
ここからは、上の事実をもとにした編集部の考察と創作への応用ポイントです。
証言には「手がかり」と「その人の事情」を持たせる
創作に持ち帰りたいのは、一つの事件を複数の人物の経験へ分けて考える方法です。自作で試すなら、まず中心となる問いを一文にし、証言者ごとに「いた場所」「直接見たこと」「その場で気にしていたこと」を整理します。同じ出来事でも視野を変えれば、説明を繰り返すのではなく、情報を少しずつ追加できるはずです。
証言者を手がかりの受け渡し役だけにしないことも大切です。誰かを守りたい、持ち場から離れられないといった事情を自作の人物に設定し、その事情が目撃できる範囲をどう狭めるか考えてみましょう。感情を描く場面と謎を進める場面を完全に分けず、一つの行動が両方に関わるよう設計すると、脇役を登場させる意味が明確になります。
主人公の能力と相棒の役割も、別々に点検できます。記憶に優れる人物を自作に置く場合、情報を覚えることと、その意味を正しく理解することは分けて設計できます。記憶が確かでも、証言者の勘違いや見えていなかった範囲までは埋まりません。相棒には主人公とは異なる観察や行動を担当させ、二人のやり取りが情報の再検討につながるか確認するとよいでしょう。
連載なら、各話の聞き取りで何が増え、中心の問いがどう変わるかを一覧にすると構成を見直せます。毎回ただ証言者を交代するのではなく、前の証言の意味が変わる回、人物の事情が分かる回など、役割を振り分けます。読者にまだ解けない疑問と、すでに答えを渡した疑問を分けておくことも、情報の出しすぎを防ぐ助けになります。
BunCho で試すなら
AI BunChoのAIあらすじ生成(/synopsis)で、独自の事件と主人公、役割の異なる相棒、三人の証言者を条件に入れ、聞き取りで進むあらすじ案を作ってみましょう。各証言者には「謎につながる情報」と「本人にとって切実な事情」を一つずつ設定し、生成案で両方が働いているか確認します。既存作品の人物や事件の展開をなぞらず、証言の順序を入れ替えた案も作って、疑問の生まれ方を比べてみてください。
よくある疑問
「未だ本能寺にあり」は、どのような物語ですか?
信長を捜すよう秀吉に命じられた駒井八右衛門重勝が、護衛の糟屋助右衛門武則とともに、本能寺の変の関係者から話を聞いて真相を追う歴史ミステリーです。
書評では、謎解き以外のどこが評価されていますか?
縄田一男は、脇役を丁寧に描く姿勢が物語の納得感につながっていると評価しています。特に夏音と狩野又九郎のエピソードを取り上げています。
出典・一次情報・参考資料
- 秀吉の密命は――信長の首を探せ! 本年度ベスト候補の極上歴史ミステリー『未だ本能寺にあり』(今村翔吾・著) bookbang.jp · 2026-10-28
記事のデータおよび検証情報は2026年10月28日時点のものです。