『狐の花嫁(実写版) 第2話「嫁入り行列』
——朔の部屋に押しかけた千歳。札で足を焼かれても笑う彼女に、陰ノ司から命令が届く。殺すなら、婚礼の夜に。
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朔の部屋に押しかけた千歳。札で足を焼かれても笑う彼女に、陰ノ司から命令が届く。殺すなら、婚礼の夜に。
千歳(lead / the fox bride)。
篝 朔(lead / onmyoji assassin, reincarnation of Tōji)。
藤次(past life of Saku (300 years ago); lantern maker and secret archer of the Bureau)。
雨宮 律(antagonist / director of the Bureau (陰ノ司))。
尾白(Chitose's guardian, a small old white fox)。
裸足が戸口の札の列を踏む。足元から煙。それでも歩みは止まらない。
畳の部屋。低い卓で茶を持つ朔が冷たく見ている。
視線の先に、文字が浮かび上がる——『狐の花嫁』。
篝 朔「その札は、狐を焼く。」
千歳が足から煙を上げたまま微笑む。
千歳「はい。少し熱いです。」
千歳が正座で向かい合う。尾白が卓に飛び乗り、朔の茶を勝手に飲む。
朔が問う。
篝 朔「目的は何だ。」
*
千歳、まっすぐに。
千歳「あなたと祝言を挙げることです。」
尾白が茶を噴き出す。
尾白「狐は嘘がつけん。本気じゃぞ。」
千歳が卓越しに手を伸ばし、朔の手首に触れる。
提灯の形の痕が、指先の下で琥珀色に光る。
一瞬の幻視。提灯工房の灯り、鼻歌。
*
朔が手を引き抜く。
篝 朔「触るな。」
千歳が静かに頭を下げる。
千歳「失礼しました。三百年ぶりだったので。」
夜。千歳が畳で丸くなって眠る。暗がりで朔が刃を手にしている。
鈴のひびが少し伸びている。
尾白は胸の奥で呟いた。——鈴が割れ切れば、姫は消える。
朔は刃を下ろし、自分のコートを彼女にかける。
*
窓の隙間から白い折り鶴が舞い込む。
折り鶴が卓に降り、律の声で話す。
雨宮 律は胸の奥で呟いた。——篝。まだ殺していないのね。
朔が小声で答える。
篝 朔「……機を待っています。」
鶴が続ける。
雨宮 律は胸の奥で呟いた。——それでいい。ただの狐としてではなく、
鶴の光が強まる。
雨宮 律は胸の奥で呟いた。——花嫁として、婚礼の夜に殺しなさい。
*
鶴が燃え、炎が三つの盃の輪になって消える。
暗闇の中、千歳の目が開く。
視線の先に、文字が浮かび上がる——『つづく』。
日常のわずかな綻びから始まった『狐の花嫁(実写版) 第2話「嫁入り行列』の真実は、静かな余韻を残して幕を閉じる。だが、彼らが選んだその先の未来はまだ誰も知らない。