安堂ホセの芥川賞受賞後初作「獣走」刊行、新競技から考える長編の組み立て
KADOKAWAは2026年9月30日、安堂ホセの「獣走」を刊行しました。「DTOPIA」で芥川賞を受賞した後の最初の作品で、著者にとって初のエンターテインメント小説・長編への挑戦です。新しいスポーツに参加する会社員の物語を手がかりに、独自の設定を長編の展開へつなげる方法を考えます。
事実確認できたこと
芥川賞受賞後の一作で、長編とエンタメに挑戦
KADOKAWAの発表によると、安堂ホセの新作『獣走』は2026年9月30日に発売され、電子版も同日から配信されています。価格は税込2,200円です。これまで主に純文学を執筆してきた著者が、エンターテインメント小説と長編に初めて取り組んだ作品として紹介されています。2025年に『DTOPIA』で第172回芥川賞を受賞してから、初めて刊行された小説です。
安堂は2022年、『ジャクソンひとり』による第59回文藝賞の受賞を機にデビューしました。その作品と、2023年刊行の『迷彩色の男』はいずれも芥川賞の候補になっています。また、『ジャクソンひとり』のフランス語版『Juste Jackson』は、2024年のマルキ・ド・サド賞で候補に選ばれました。
出典:【芥川賞受賞後第一作】安堂ホセの新境地『獣走』が本日2026年9月30日(水)発売! 刊行記念対談イベントの実施も決定
小さな身体の発見から、競技のルールを問う物語へ
主人公の高木サニーは会社員で、趣味はランニングです。走っているときに坂で手をついた経験から、四足で移動することに関心を持ちます。その後、通っているジムで独特の練習をする男性に出会い、四足で走る、6人組で行う新たな競技を知ります。サニーは、まだルールが定まっていないその競技に加わることになります。
当初は仲間同士の楽しみだった競技が、ある出来事によって広く知られるようになります。参加者のブラックルーツや競技の形態に対する偏見に直面する一方、競技に取り組む人は急増し、公式戦も開かれることになります。サニーたちはルールを決める必要に迫られ、スポーツの楽しさを改めて考えていきます。刊行に合わせ、安堂と臨床心理士・公認心理師のみたらし加奈による対談も告知されました。予定日は10月2日、会場は本屋B&Bでした。
出典:【芥川賞受賞後第一作】安堂ホセの新境地『獣走』が本日2026年9月30日(水)発売! 刊行記念対談イベントの実施も決定
分析編集部の見方
ここからは、上の事実をもとにした編集部の考察です。
独自設定は、発見・参加・制度化の段階で広げる
創作に持ち帰れるのは、珍しい競技の説明より先に、主人公がそれに関心を持つきっかけを置くという考え方です。日常の動作から新しい身体の使い方に気づき、他者との出会いを通じて競技へ参加する。こうした順序なら、読者は主人公と一緒に未知の設定へ入れます。自作でも、世界の仕組みを冒頭でまとめて解説する前に、主人公が何を見て、何を試したくなるのかを一場面として書き出してみるとよいでしょう。
長編の構成を考える際は、同じ活動でも、関わる人数や社会との距離が変わると課題が変わる点に注目できます。仲間だけで楽しむ段階では通じていたやり方が、参加者の増加や公式戦によって見直しを求められる。この変化を参考に、各章で「誰が加わるか」「何を決めなければならないか」を整理すると、設定を増やすだけではない展開を作れます。Web小説の連載なら、出会い、参加、外部との接触をそれぞれの区切りにする構成も検討できます。
また、ルールの策定は、登場人物ごとの価値観を場面にする入口になります。自作の競技や共同体を設計するなら、安全、公平さ、楽しさなど、何を優先するかを人物別に書き分けてみてください。議論の勝ち負けだけでなく、誰の参加が難しくなるのかまで考えると、制度と人物の事情を結びつけられます。偏見を扱う場合も、属性を対立の記号として置くだけでなく、その人が活動を続けたい理由や仲間との関係を具体化することが大切です。
BunCho で試すなら
AI BunCho のAIあらすじ生成(/synopsis)に、身近な行動から生まれる架空の競技、その競技にひかれる主人公、参加者が増えたときに起きる問題を入力して、長編のあらすじ案を作ってみましょう。生成された案を、個人の発見、仲間との実践、ルールを決める局面に分けて読み直し、主人公の目的が各段階でどう変わるかを確認します。設定の説明が先行している箇所は、主人公の行動や他者との会話で伝えられないか検討してください。
よくある疑問
『獣走』はいつ発売されましたか?
2026年9月30日にKADOKAWAから刊行されました。電子版も同日に配信され、定価は税込2,200円です。
物語で描かれる競技はどのようなものですか?
四足で走り、6人組で行う新興スポーツです。主人公が参加する時点ではルールが定まっておらず、競技の広がりとともにルールづくりが課題になります。
確認に使った資料
- 【芥川賞受賞後第一作】安堂ホセの新境地『獣走』が本日2026年9月30日(水)発売! 刊行記念対談イベントの実施も決定 prtimes.jp・2026-09-30・一次情報
発表・報道で確認できた事実と、編集部の分析を分けて書いています。情報は2026年10月12日時点のものです。